JSPEN会員の皆様

 この度、第10回定時社員総会において、代議員の皆様にご承認をいただき、薬剤師部会長に就任致しました二村昭彦でございます。微力ながら,会員の皆様のご期待に応えられるよう全力でその重責を果たし、日本臨床栄養代謝学会の発展に尽くす所存でございます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2020年より世界を震撼させているCOVID-19のパンデミックの問題、またわが国が直面している急速な少子高齢化2025年問題など、今、日本の医療は大きく変わろうとしています。こうした厳しい状況の中で、薬剤師部会の皆様におかれましては、医薬品の安全な供給機能を維持し、最適な薬物療法を提供するという薬剤師の使命を果たされていることと思います。皆様とともにこの難局を乗り越え、さらなる活動を行えますことを心より願っております。
 2023年2月28日現在、JSPENの会員数は23,557名、うち薬剤師会員数は4,685名であり、薬剤師のますますの活躍が国民より期待されているところです。私たち薬剤師の栄養療法への関わりは拡大しており、『栄養管理における薬剤師の活動指針2018』では、5つの柱を掲げています。

1. 静脈・経腸栄養における処方支援
2. 静脈・経腸栄養における適正使用の推進
3. 病棟薬剤業務および在宅医療における栄養管理
4. 栄養管理を基盤とした地域連携
5. 地域連携のための情報共有

病院薬剤師は、病棟業務における栄養管理の充実に加えて医師の負担軽減策としてのタスクシフト・シェアへの対応や周術期への参画など、ますますその職能の拡大と医療の質の向上への貢献が期待されています。一方、超高齢社会にあって、地域の中で高齢者を低栄養に陥らせない生活支援体制の構築には、保険薬局薬剤師の活躍が大きく期待されています。すなわち、病院間や保険薬局、介護施設との連携による「地域における多職種協働マネジメント」が極めて重要であると考えます。病院内のNSTから保険薬局での外来・在宅支援へと、患者の暮らしにつなぐ薬剤師連携が大きな力を発揮すると確信しております。
 薬剤師部会は、最善の栄養療法の向上のために、年次学術集会での「薬剤師部会企画パネルディスカッション」や各種セミナーの開催、学会誌やWebでの情報発信により、薬剤師の新たな業務展開に関する知識の共有と地域医療を支える要としての薬剤師の役割について、皆様としっかり議論を深め事業を進めていきたいと思っております。
部会の皆様にはJSPENを盛り上げていただけます様、引き続きのご支援ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

2023年4月吉日
薬剤師部会 部会長 二村昭彦
藤田医科大学七栗記念病院