JSPEN会員の皆様

 この度、第10回定時社員総会において、代議員の皆様にご承認をいただき、薬剤師部会長に就任致しました二村昭彦でございます。会員の皆様のお力になれるよう尽力いたしますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 2024年4月30日現在、JSPENの会員数は24,335名、うち薬剤師会員数は5,058名と増加の一途を辿っています。JSPENへの期待のみならず、薬剤師の栄養治療へのかかわりが現実的にますます拡大してきているあらわれと考えます。臨床現場での栄養サポートチームの活動のなかで薬学的な視点から患者に有効で安全な栄養治療の実践が薬剤師に求められています。2024年2月に「栄養管理における薬剤師の活動指針」を改定いたしました。

 指針では以下、4つの柱を掲げています。静脈・経腸栄養における処方支援、適正使用の推進に加え、病院薬剤師と保険薬局薬剤師の活動がより明確に示されています。病院薬剤師は急性期、回復期における栄養治療の有効性と安全性を提供する役割を担っています。一方、地域の中で高齢者を低栄養に陥らせない生活支援体制の構築には、保険薬局薬剤師の活躍が大きく期待されています。病院NSTから保険薬局での外来・在宅支援へと、患者の暮らしをつなぐ薬剤師連携が大きな力を発揮すると確信しております。
 
 薬剤師部会では、年次学術集会でのパネルディスカッションやアドバンスセミナー等をとおして部会員の皆様のお役に立つ学術的なテーマを企画しています。部会員の皆様にはJSPENを盛り上げていただけます様、引き続きのご支援ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。


栄養管理における薬剤師の活動指針2024

1. 静脈・経腸栄養における処方支援
  病態に応じた処方提案
  輸液・経腸栄養剤と投与経路の提案

2. 静脈・経腸栄養における適正使用の推進
  無菌調製の実施及び衛生管理指導
  医療機器・材料の情報提供
  投与速度、配合変化、相互作用等のリスク管理

3. おもに病院薬剤師業務における栄養管理
  栄養管理にともなう医原性合併症の回避
  患者・家族への指導と連携支援

4. おもに保険薬局業務における栄養管理
  脱水症、褥瘡、サルコペニア、フレイル等の早期発見と対策
  フィジカルアセスメントの実施
  在宅医療・地域連携のための情報共有の推進

2024年7月
薬剤師部会 部会長 二村昭彦
藤田医科大学七栗記念病院