JSPEN栄養士・管理栄養士部会の皆様へ

 この度、栄養士・管理栄養士部会長に就任いたしました遠藤陽子でございます。会員の皆様のお力になれるように尽力致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 2023年医療法施行規則の一部改正が行われ、医療従事者の職種として厚生労働大臣が定めるものに、栄養士・管理栄養士が追加されました。人生100年時代、健康な超高齢化社会の実現にむけ、地域や個人単位での取り組みも多様となり、若い女性のやせ、中年男性の肥満、高齢者のフレイルなどの問題点に対して、適切な栄養・食事は、生活習慣病の予防、痩せや低栄養等の予防・改善を図り、生活機能の維持・向上に貢献できます。本学会が目指している“栄養治療”の実現には、栄養士・管理栄養士が重要な役割を担っています。2024年は診療報酬・介護報酬・傷害福祉のトリプル改定が行われ、「標準的」な栄養管理の推進、リハビリ-栄養管理-口腔管理における多職種連携の推進など栄養関連の項目が高く評価され、低栄養の対象者の問題解決をするための適切な栄養ケアプランの提案ができる管理栄養士への期待はさらに高まることと思います。
 
 一方、地域包括ケアシステム体制の構築に向けて、入院前から入院中、そして退院後の栄養ケアを適切に行うために施設間の「連携」、在宅医療・介護との「連携」も重要となり、シームレスな栄養管理、栄養食事指導体制の実現も求められています。そのために、栄養情報提供書の作成及び病院内のNSTだけでなく、地域一体型NSTなど、栄養士間だけでなく、さらに多職種との連携も大切になってきます。
 私たち栄養士・管理栄養士に求められるスキルは、栄養の専門知識だけでなく、メディカルスタッフとしての多岐にわたる能力も求められます。そのためにも幅広いニーズに対応できるようスキルアップを常に行っていくことも重要と考えています。
 
 栄養士・管理栄養士部会では、毎年の学術集会のパネルディスカッションやアドバンスセミナーなどをとおして会員の皆さまのお役に立てるようなテーマを企画しております。
 皆様には栄養士・管理栄養士部会をご支援頂きますようお願い申し上げます。

2025年4月1日
栄養士・管理栄養士部会 部会長
川崎医科大学附属病院
遠藤陽子