札幌禎心会病院 消化器外科 部長
中村誠志

このたび、日本栄養治療学会北海道支部 第18回支部学術集会を主催させていただくにあたり、謹んでご挨拶申し上げます。

本学術集会は、2026年6月28日、札幌医科大学 臨床教育研究棟 1階講堂にて開催を予定しております。テーマは「医食同源 – 栄養治療の原点回帰と多職種連携の深化」です。

「医食同源」とは、医と食は本来一体であり、病を癒す基本は日々の食生活にあるという東洋の思想に基づく言葉です。現代の医療においても、栄養管理は補助的な手段ではなく、疾病の予防・治療・再発防止・QOL維持のすべてに関わる、中心的な治療戦略として重視されています。

近年では、サルコペニアやフレイル、がん患者の栄養ケア、腸内環境と全身状態の関連性など、栄養治療の対象はますます広がりを見せており、NSTの果たすべき役割も多様化しています。なかでも、高齢者や重症患者における摂食・嚥下機能の評価と支援は、口から食べることを支える重要なテーマの一つであり、歯科やリハビリ領域との連携を含めた多職種協働の意義が一層高まっています。

本会では、NST活動を実践する多様な専門職の皆さまが、それぞれの視点から臨床現場での工夫や課題を共有できるよう、多職種連携を重視した実践的なプログラムを企画しております。また、病院内のみならず、地域・在宅医療における栄養支援の在り方や、若手職種への教育・継承といった視点も盛り込み、栄養療法の今とこれからを見つめ直す場としたいと考えております。

本学術集会が、参加される皆さまにとって実りある学びと交流の機会となり、それぞれの現場におけるチーム医療のさらなる発展につながることを、心より願っております。

日頃のNST活動の実践報告や連携の工夫、地域での取り組みなど、皆さまの貴重な経験や知見をぜひご発表いただき、本学術集会をともに創り上げていただければ幸いです。

多数のご参加とご発表を、心よりお待ち申し上げます。