インタビュー vol.3

栄養療法とリハビリテーションは
二人三脚

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【理学療法士】
松嶋 真哉 さん

杏林大学保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
(東京都三鷹市)
[NST専門療法士取得年:2020年]

「NST専門療法士」を取得したきっかけを教えてください

前職の大学病院で理学療法士として勤務していた際、NSTには言語聴覚士が参加していたのですが、退職などで人員が不足したため、急遽私がメンバーとなりました。NSTに参加してからは、まったく知らなかった栄養療法に関して一から学ぶこととなり、その中で、「NST専門療法士」という資格があることを知り、理学療法士で取得している人も多くなかったので、自分の武器になるのではと考えました。

資格を取得してよかったことは何ですか?

何よりも一番良かったことは、多職種の仲間が増えたことです。そして、栄養療法のさまざまな知識、例えば、タンパク質の摂取や、嚥下・口腔機能の重要性などを習得できたことです。というのも、かつての理学療法士の養成過程においては、栄養療法は必須科目ではありませんでした。リハビリテーション職種の場合、栄養であればなんでも取り入れて欲しいというような考え方があるため、疾患や病態別に、注意しなければならない栄養素があるということを知ることができたのは大きいと感じています。

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現在は、杏林大学で後進の育成に携わっています

これから資格取得を目指す方へメッセージをお願いします

「NST専門療法士」の資格を有しているリハビリテーション職種は、まだあまり多くはありませんが、資格取得を通じて、栄養療法の知識が身に付くだけではなく、自身が行うリハビリテーションにも役立ちます。
栄養療法とリハビリテーションは二人三脚のようなもので、どちらか一方だけ頑張っても上手くいかないものです。また多職種が関わることで、多くの仲間ができます。
JSPENでは「栄養治療リハビリテーション ワーキンググループ」が設立され、私もそのメンバーの一員として活動をスタートしました。これをきっかけに、さらに多職種の皆様との連携を深めていければと思っています。


栄養サポートチーム(NST)専門療法士とは・・

日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた、臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているとみなした専門療法士。
管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師のいずれかの国家資格を保持しており、栄養サポートに関する業務に従事、かつ指定研修やセミナー受講、学術集会の参加などの要件を満たすことが必要。
栄養サポートチーム(NST)専門療法士 資格制度に関する詳細はこちらから