2017年に厚生労働省より「相互接続防止コネクタに係る国際規格(ISO(IEC)80369シリーズ)の導入について」が発出され、現在、段階的な誤接続防止コネクタの国内導入が行われています。新しい国際規格はISO(IEC) 80369と称し、経腸栄養分野はISO(IEC) 80369-3シリーズとなっています。
本学会としては、本邦での経腸栄養分野における導入に関連して、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と連携し、予てより新規格コネクタの評価を行うとともに、実際の切り替えにおいて医療現場での混乱を回避すべく支援体制をとって参りました。
すでに2019年12月より切り替え期間に入っており、対象製品に出荷も進んでおります。切り替え移行期間は当初は2021年11月末までの2年間となっていましたが、旧規格製品の存続を希望する旨の要望が厚生労働省に提出されました。それを踏まえ、移行期間の1年延長と研究班での課題の整理及び対応策の検討が行われました。

そして、2022年5月に厚生労働省より「経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えに係る方針の一部見直しについて」が発出されました。内容は以下のようです。
・新規格製品への切替えを促進することが基本である。
・新規格製品の使用が困難な一部のケースにおいて当面の間、一定の条件を担保した上で旧規格製品の使用を可能とする。
・旧規格製品の出荷期限は、当面の間設けないこととする。

旧規格品の使用に際し、一定の条件とは以下になります。

ISO 80369-3 の使用が困難であると医師が判断した場合に、以下の4項目に対応したうえで使用すること。
(1)旧規格製品を使用することについて、その目的に見合った医学的理由があると医師が判断すること。
(2)本品における誤接続のリスクや例外的な使用をすることに伴う不利益を被る可能性があることを(1)とともに医師が患者に説明した上で、その使用について患者の同意を得ること。
(3)本品を使用することについて、医療従事者等の本品の使用に携わる関係者で情報共有し、十分なモニタリング体制を敷くこと。
(4)(1)~(3)に関する記録を行うこと。
 

[参考]
厚生労働省
経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えに係る方針の一部見直しについて(PDF)
旧規格に適合した経腸栄養分野の小口径コネクタ製品を製造販売する場合の取扱いについて(PDF)