インタビュー vol.2

自分の言葉で
自信をもって伝えるために

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【看護師】
武田 裕美 さん

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
(神奈川県横浜市旭区)
[NST専門療法士取得年:2019年]

「NST専門療法士」を取得したきっかけを教えてください

以前勤めていた病院では、NSTリンクナースとして活動していました。当時は、栄養管理が大切だと理解していても、患者さんに対してどのような栄養管理を行うべきかよく分からず、漠然と不安を感じていました。同時に、医師や周りのスタッフに対して根拠をもって説明ができない自分に、もどかしい思いもしていました。
自身の知識不足を解消するため、外部の研修に参加するなど学びを深めながら、6年前、栄養のスペシャリストが多く在籍している、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(現所属先)へ転職し、その後「NST専門療法士」を取得しました。

資格を取得してよかったことは何ですか?

一番は、『自分の言葉で説明できるようになった』という点でしょうか。理解が十分でないと、自信をもって伝えることができません。多職種のNSTメンバーに、積極的に相談や提案ができるようになったことも、資格取得が後押ししてくれていると思います。
今では現場での経験も増え、必要量が充足しているのか、不足しているのかがわかるようになり、栄養の視点から全身状態のアセスメント、看護に繋げられるようにもなりました。栄養管理上のリスクにも配慮できるようになりました。患者さん一人ひとりの栄養管理の方法を考えられるようになったことは、自分自身にとって大きな成長だと感じています。

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「『看護師の視点を忘れない』ということを日々心掛けています」(武田さん)

これから資格取得を目指す方へメッセージをお願いします

どのような疾患においても、全身管理の一つに栄養管理があり、それがうまくいかなければ状態は改善しません。知識があれば、早期介入、多職種へと繋げることができます。特に看護師は食事・経腸栄養・点滴と関わりが深く、患者さんの側に一番近くにいるからこそ多くの情報を持ち、変化に気付きやすい強みがあります。もちろん、職種に関わらず、栄養管理の知識があるということは、安全な医療の提供に繋がり、状態改善、さらには患者さんの希望を叶える手助けができるかもしれません。同じ志を持った皆様と一緒に、より高みを目指していければと思っています。


栄養サポートチーム(NST)専門療法士とは・・

日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた、臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているとみなした専門療法士。
管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師のいずれかの国家資格を保持しており、栄養サポートに関する業務に従事、かつ指定研修やセミナー受講、学術集会の参加などの要件を満たすことが必要。
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