平素より当会活動にご理解とご協力をいただき厚く御礼申し上げます。

e-journal 「学会誌JSPEN」Vol.5 No.5を11月30日(木)に刊行いたしましたのでご案内申し上げます。
会員IDとパスワードを入力していただくことにより、全論文がご覧になれます。
本誌は半年後にJ-STAGEでも掲載されますが、学会員の利便性とメリットを優先し、先行公開させていただいております。(掲載のdoiが有効となるのは半年後のJ-STAGE公開をもってとなります。)ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


学会誌JSPEN Vol.5 No5

<掲載内容>
■症例報告
心臓移植待機中に代謝クライシスを発症し、急性期に慎重な栄養管理を要したプロピオン酸血症の1例 竹中裕美,他
心臓移植待機中に、敗血症を契機に代謝クライシスを発症し、プロピオン酸血症と診断された患者に関する症例報告である。稀な症例であり栄養療法のポイントについて確認していただきたい。

胃全摘術後長期経過例の微量元素欠乏症に対する亜鉛・銅補充療法による貧血改善効果の検討 柴田 裕
胃全摘術後長期経過例における亜鉛・銅欠乏症の発症と補充療法についての報告である。全例で亜鉛欠乏あるいは潜在性欠乏が認められており、ビタミンB12のみならず亜鉛の吸収障害についても注意が必要となる点、共有していただきたい。

経胃瘻的空腸瘻(PEG-J)カテーテルによる空腸軸捻転症の1例 瀬尾信吾,他
アルツハイマー型認知症のためPEG-Jを使用した経腸栄養投与を行なっていたが、空腸軸捻転症を併発し外科的に捻転解除術を必要とした症例報告である。発症は稀ではあるが、PEG-J管理をしている患者では注意が必要であり、参考にしていただきたい。

術前酪酸菌製剤を投与し閉塞性大腸炎の治癒後に待機的腹腔鏡下結腸切除術を施行したS状結腸がんの1例 山中英治
S状結腸の亜全周性大腸がんの患者で、横行結腸左側から下行結腸にかけての広範囲の閉塞性大腸炎を認め、酪酸菌投与で治療後に手術を行った症例報告である。手術では閉塞性大腸炎の病変部位を含む腸管切除が基本とされており、本治療は有用なため共有していただきたい。

■施設近況報告
当院NSTにおけるZoomを用いた多職種勉強会の実践について  久保萌美,他
コロナ後に普及した、オンラインでのNST勉強会に関する施設報告である。プライベートを優先しつつ現地に赴かず気軽に参加できる利点はあるが、Webシステムの操作や電波環境などの機器的なトラブル、対面形式と比較したコミュニケーションのとりづらさなどが問題となっており、今後開催を考えている施設は参考にしていただきたい。

■学会参加記
2023年度未来研究プロジェクト海外学会参加費助成受賞者学会参加記  高端洋恵
今年のESPENはフランスのリヨンで開催された。本稿は未来研究プロジェクト海外学会参加費助成受賞に伴う発表報告である。早期から多職種でICUでの栄養療法に取り組み、それらを集約したプロトコールについてポスター発表を行った。

2023年度未来研究プロジェクト海外学会参加費助成受賞者学会参加記  大宮悟志
本稿も未来研究プロジェクト海外学会参加費助成受賞に伴う発表報告である。高齢肝細胞癌肝切除症例におけるGLIM基準で診断された低栄養が予後に与える影響についてポスター発表を行なった。なお、本発表はポスターツアーに選抜され、Travel Grant Awardを受賞した。

編集後記
・編集委員 千葉正博