NST:栄養サポートチーム

Nutrition Support Team(NST:栄養サポートチーム)は、1968年中心静脈栄養(TPN)の開発・普及に伴い、米国において多職種で栄養管理を実践・支援するチーム医療の必要性が認識されるようになり、1973年ボストンシティー病院で初の本格的な活動が始まりました。その後、NSTは全米に広がりさらに他の欧米諸国へと急速に伝播していきましたが、1997年までは本邦において、わずか数施設にNSTの設立が確認されているにすぎませんでした。

しかし、1998年、欧米型の専属チームにとらわれないわが国の医療状況に即した新しいNSTの運営システム” Potluck Party Method(PPM:持ち寄りパーティー方式/兼業業務システム)” が考案され、これを契機にわが国でも本格的な全科型NSTが設立されるようになりました。

日本静脈経腸栄養学会(現 日本臨床栄養代謝学会)が2001年よりNSTの普及・啓発に尽力し、現在既に1,300以上の施設にNSTが設立され、今もなお多くの施設で稼働準備が着々と進められています。

このようなわが国におけるNSTの爆発的な普及は、日本病院機能評価機構の評価項目の中にも取り入れられ、さらに2006年栄養管理実施加算、2010年4月栄養サポートチーム加算の算定へと大きく飛躍しました。

日本臨床栄養代謝学会・NST委員会は全国の医療従事者にNSTの有用性や重要性を啓発するとともに、より多くの医療施設にNSTを学会支援のもと設立・運営することを目的としてNST稼働施設に対する日本臨床栄養代謝学会のNST稼働施設認定制度を設けております。