要旨
【目的】2006 年にヨーロッパで始まった nutritionDay であるが,2012 年よりがん患者に特化した調査も行われている.今回,2015 年から 2017 年の national report をもとに本邦および世界のがん患者の現況について報告する.【対象】日本から 748 例,世界から 4,630 例のがん患者が登録されており,平均年齢はそれぞれ71.3 歳,65.4 歳,BMI については 21.6,24.1 となっていた.【結果】終末期の入院患者の割合が,日本の13.4%に対して世界では 4.8%であった.栄養療法についてみると,静脈栄養がおこなわれていたのは日本で18.0%であったが,世界では 10.9%しかなかった.逆に経口栄養補助食品の摂取については,日本では 3.9%しかなかったのに対し,世界では 14.4%であった.【結論】本邦のがん患者の現状を客観的に評価し,今後の栄養療法の改善に向けた基礎資料となる.