要旨
【目的】当院では2013 年9 月より頭頸部がん患者の栄養管理を目的に,病棟担当管理栄養士を配置している.今回,配置前後の対象患者の体重減少率およびエネルギー充足率を比較検討した.【方法】対象は2013 年4 月1日~2014 年3 月31 日に当院耳鼻咽喉科に14 日以上入院した頭頸部がん患者91 名(年齢64.6 ± 9.8 歳,男性74 名,女性17 名).病棟担当管理栄養士配置を行っていなかった群(以下,配置前群と略)46 名と病棟配置後群(以下,配置後群と略)45 名の体重減少率およびエネルギー充足率を比較した.【結果】頭頸部がん患者の入院中の体重減少率は配置前群7.1 ± 4.7%から配置後群4.9 ± 4.7%へと有意に低下した(p=0.029).退院時エネルギー充足率は,配置前群71 ± 30%から配置後群87 ± 27%へと有意に上昇した(p=0.011).【結論】管理栄養士の病棟配置によりエネルギー充足率が高まり,体重減少を抑えることが可能であった.