要旨
【目的】回復期脳卒中患者の入院中のサルコペニア発症率と関連因子を明らかにする.【対象および方法】当院の回復期リハビリテーション病棟(以下,リハ病棟と略)入院時にサルコペニアを認めない脳卒中患者を対象とした後ろ向きコホート研究.サルコペニアをAsian Working Group for Sarcopenia2019 で診断した.ロジスティック回帰分析により入院中のサルコペニア発症に関連する因子を調査した.【結果】解析対象者は147 名(男性99 名,平均年齢63.7 歳)であった.入院中に14 人(9.5%)がサルコペニアを新規発症した.発症に関連する因子として,年齢,エネルギー充足率,入院時骨格筋指数が抽出された.【結論】回復期脳卒中患者の入院中のサルコペニア新規発症率は9.5%であった.年齢,エネルギー充足率,入院時骨格筋指数はリハ病棟入院中のサルコペニア発症の予測因子であると示唆された.
学会誌JSPEN Vol.3 No.1
回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者のサルコペニアの新規発症率と関連因子
著者
伊東祐輔1),野村 心1),吉村芳弘2)
所属
社会福祉法人 農協共済 別府リハビリテーションセンター 回復期リハビリテーション部1),熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター2)
キーワード
サルコペニア,回復期リハビリテーション病棟,脳卒中