要旨
【目的】慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;以下,COPD と略)患者に対する呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハと略)においては,栄養管理を含めた包括的な介入が必要とされている.本研究では,新たなエネルギー消費量の算出方法と高負荷運動療法の効果を検討する.【対象および方法】4 週間の入院呼吸リハを行ったCOPD 患者32 名を対象とした.食事調査によるエネルギー摂取量と活動量計や換算式によるエネルギー消費量を毎日記録しながら,身体組成の変化や呼吸リハの効果と合わせて検討した.【結果】体重推移とエネルギー出納が相関していたことで,COPD 入院患者の運動介入症例におけるエネルギー消費量の算出方法は妥当と推定できる.また,高負荷運動により,体重を落とさずに身体機能,自覚症状が改善した.【結論】COPD 患者に対する新しいエネルギー消費量の算出方法の妥当性と高負荷運動療法の有効性が示された.この結果は,COPD 患者の呼吸リハ中に起こり得る低栄養リスク対策として有用である.