要旨
【目的】Prognostic nutritional index(以下,PNI と略)は,血清アルブミン(以下,Alb と略)値と末梢血総リンパ球数にて求められる予後予測指標であるが,Alb 値の測定法の変更にともなうPNI の問題点について,慢性肝疾患患者を対象に検討を行った.【方法】2018 年3 月から10 月に当院消化器内科に通院中の慢性肝疾患患者144 名を対象とした.健康対照群は2017 年1 月から2018 年7 月に当院検診センターの受診者364 名を用いた.Alb 値の測定は電気泳動法と改良型Bromocresol purple 法にて行った.【結果】Alb 値,PNI ともに改良型BCP 法と比較して電気泳動法で有意に高値であった.病態の進行にともないその差は大きくなる傾向がみられた.【結論】PNI は優れた予後予測指標であるが,Alb 値の測定法により値が異なるので,その評価には留意する必要がある.
学会誌JSPEN Vol.3 No.3
慢性肝疾患における栄養指標としてのPNI(prognostic nutritional index)の問題点
著者
鈴木壱知1),山本幸司2),五関謹秀3)
所属
医療法人秀和会秀和総合病院 消化器内科1),同 臨床検査科2),同 外科3)
キーワード
prognostic nutritional index,アルブミン,慢性肝疾患