要旨
【目的】標準体重以下の重症患者におけるエネルギー必要量推定式の有用性を検討する.【対象および方法】当院ICUで間接熱量測定を行った18歳以上,BMI<22kg/m2の患者21名(BMI中央値19.2kg/m2)を対象とした.間接熱量測定から求めたエネルギー消費量(energy expenditure-indirect calorimetry;以下,EE-ICと略)と簡易式(体重×25kcal/日),およびHarris-Benedict式から求めた総エネルギー必要量(totalenergy requirement-Harris-Benedict;以下,TER-HBと略)を比較検討した.【結果】EE-ICとの相関係数は簡易式が0.78(95%信頼区間:0.53~0.91,p<.0001),TER-HBが0.53(95%信頼区間:0.13~0.78,p=0.013)であった.Bland-Altman解析によるEE-ICとの平均差および95%一致限界は,いずれも簡易式がTER-HBより低値となった.【結論】標準体重以下の重症患者におけるエネルギー必要量の推定には簡易式が有用であると思われる.
学会誌JSPEN Vol.3 No.4
標準体重以下の重症患者におけるエネルギー必要量の推定式の検討
著者
吉田 輔1),岡野 弘2),大和田玄1),木村康宏1),七尾大観1),藤本潤一1),西澤英雄1)
所属
横浜労災病院中央集中治療部1),横浜医療センター救急・総合診療科2)
キーワード
間接熱量測定,推定式,標準体重以下