要旨
【目的】わが国の栄養管理体制の実態を調査する.【対象および方法】日本臨床栄養代謝学会(旧日本静脈経腸栄養学会)の代議員および学術評議員657人を対象にインターネットアンケート調査を行い,現在の栄養サポートチーム(以下,NSTと略)加算における回診,カンファレンスの実態,地域連携に関する制度上の困難感や矛盾点について選択式の質問にて回答を求めた.【結果】40.3%(265人)の回答率を得た(施設回答率53.5%).医療機関の機能により,NST回診の頻度,患者数,時間に違いがあった.また,栄養管理の地域連携において,「退院・転院時の栄養管理情報提供」や「入退院前のNSTによる栄養評価」についての高い必要性が示された.栄養管理の情報としては,嚥下機能や経口摂取,栄養剤,体重の情報についての連携が不十分とする回答が50%以上あった.【結論】医療機関の機能分化に相応したNST加算点数の再評価,および地域医療連携推進のためにNST加算を地域全体に繋いでいく制度上の新たな評価が課題となった.
学会誌JSPEN Vol.3 No.4
わが国の栄養サポート体制に関する現状調査 一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会(旧日本静脈経腸栄養学会)代議員・学術評議員を対象とした実態調査
著者
二村昭彦1)2),飯島正平1)3),鈴木 裕1)4),篠田純治1)5),郡 隆之1)6),飯田純一1)7),早川麻理子1)8)
所属
日本臨床栄養代謝学会保険委員会1),藤田医科大学七栗記念病院薬剤課2),大阪府立病院機構大阪国際がんセンター3),国際医療福祉大学病院4),トヨタ記念病院内分泌・糖尿病内科5),利根中央病院外科6),済生会横浜市南部病院入退院支援センター7),名古屋経済大学人間生活科学部管理栄養学科8)
キーワード
栄養管理,NST 加算,地域連携