要旨
【目的】回復期リハビリテーション(以下,リハビリと略)病棟に入院している高齢者が,分岐鎖アミノ酸(以下,BCAAと略)配合飲料を摂取した時の身体的変化を検証した.【対象および方法】対象者23名に対して,2カ月間の追跡調査を行った.BCAA配合飲料は125mLで,ロイシン,シトルリン,ビタミンDを含有する.試験群(n=14)はリハビリ後30分以内に飲料を全量摂取した.【結果】試験群で運動と認知機能,対照群で運動の自立度スコアが有意に増加した.さらに試験群でたんぱく質摂取量が有意に増加し,総骨格筋量も増加傾向にあった.唾液中テストステロン量については変化がなかった.【結論】両群ともに認められた運動機能の向上は,リハビリ効果に起因する可能性が高い.BCAA配合飲料を回復期リハビリに加えることで,総骨格筋量と認知機能が改善する可能性が示された.
学会誌JSPEN Vol.3 No.5
分岐鎖アミノ酸(branched chain amino acid: BCAA)配合飲料を飲用した回復期リハビリテーション病棟入院患者の身体項目の変化
著者
高瀬麻以1)2),ホネイン カリム3),阿部浩子1),工藤正美4),小山内 豪5),石塚佳久5),丸山道生6)
所属
田無病院 教育・研究担当1),東京大学 高齢社会総合研究機構2),同 農学生命科学研究科3),田無病院 栄養科4),同 リハビリテーション科5),同 外科6)
キーワード
高齢者,BCAA 配合飲料,回復期リハビリテーション