要旨
【目的】入院期心不全患者における入院中の食事摂取量と退院時下肢筋力の関連を明らかにすること.【対象および方法】対象は急性心不全で入院後,心臓リハビリテーションを実施した92 例である.食事摂取量は全入院期間中の平均食事摂取量(kcal/ 日)および,食事摂取量を食事提供量(kcal/ 日)で除した平均食事摂取率(%)を算出した.下肢筋力は退院時に左右の膝伸展筋力を測定し,平均値を求め体重比を算出した.【結果】下肢筋力は食事摂取率(r = 0.47)および食事摂取量(r = 0.56)と正の相関を認め(各々p < 0.05),重回帰分析の結果,退院時下肢筋力に有意に関連する因子として食事摂取量が抽出された(R = 0.703,調整済みR2 = 0.476,p <0.05)【結論】入院期心不全患者における入院中の食事摂取量は,退院時下肢筋力と関連している.食事摂取量が少ない患者に対しては,改善に向けて多職種による包括的アプローチが早期から必要であると考えられた.