要旨
【諸言】思春期・若年成人(Adolescent and Young Adults;以下,AYA と略)世代のがん患者における栄養介入法の議論は進んでいない.【目的】同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation;以下,allo-HSCT と略)を受けたAYA 世代患者における栄養介入の実際を調査する.【方法】2007 年から2015 年に静岡がんセンター血液・幹細胞移植科においてallo-HSCT を受けたAYA 世代(16 ~29 歳)の患者を対象とし,前処置前から経静脈栄養終了までの栄養および臨床指標を評価した.【結果】14 例(女性6 例)の体重減少率と骨格筋量減少率は相関していた(r = 0.87:p < 0.01).体重減少率と基礎代謝熱量充足率,総供給タンパク質量は相関していた(r = 0.54:p < 0.05,r = 0.56:p < 0.05).経過中の栄養関連有害事象と経口摂取熱量は相関していた(r = -0.94:p < 0.01)【結論】AYA 世代患者におけるallo-HSCTの経過中の体重変化は骨格筋量変化および基礎代謝熱量充足率,総供給タンパク質量と関連していた.allo-HSCTにおいて有害事象に対応できる早期からの栄養介入には利点があると考えられた.
学会誌JSPEN Vol.4 No.2
同種造血幹細胞移植を用いた思春期・若年成人世代: Adolescent and Young Adults generation における 栄養介入の実態調査
著者
青山 高
所属
静岡県立静岡がんセンター 栄養室
キーワード
栄養介入,栄養関連有害事象,AYA 世代