要旨
【目的】化学療法中のがん患者を対象に,小容量・高たんぱく質・エイコサペンタエン酸含有栄養補助食品『小さなEプリン』(スイートポテト味,紅茶味)の官能評価を実施した.また,非がん患者の評価と比較し,がん患者に特に適した食品かを調べた.【対象および方法】化学療法中のがん患者50名および非がん患者74名を対象に「おいしさ」「風味属性」「食感」「容量」「継続性」に関する官能評価を実施した.【結果】スイートポテト味が好評で,76%の患者が「おいしい」と評価した.容量を「ちょうどよい」と評価した患者は約65%,「栄養補給のために毎日続けられると思う」と評価した患者は62%だった.また,がん患者は,非がん患者よりも「風味属性」「食感」「継続性」の一部の項目で有意に評価が高かった.【結論】『小さなEプリン』は,化学療法中のがん患者に適した栄養補助食品と考えられた.
学会誌JSPEN Vol.4 No.4-5
化学療法中のがん患者を対象とした小容量・高たんぱく質・EPA含有栄養補助食品の官能評価
著者
吉田和馬1),高橋加奈2),白井由美子3),守田俊介1),岩本 洋1),田中光司4),宮地一裕1)
所属
1)森永乳業株式会社 健康栄養科学研究所, 2) 森永乳業株式会社 フードソリューション研究所, 3)伊賀市立上野総合市民病院 栄養管理課, 4) 伊賀市立上野総合市民病院 外科
キーワード
栄養補助食品,がん患者,官能評価
DOI
10.11244/ejspen.4.4-5_195