要旨
多職種横断的なNutrition Support Team(以下,NSTと略)のチームメンバーがチーム活動に充実感を持つときのチームの状態,および,メンバーの意識・行動に関する主観的な回答を得て多変量解析を行った.全国1,667 病院へ調査票を郵送し,NSTの構成職種全員に回答を依頼した.218病院18職種1,047 人分の回答を因子分析し,最尤法で抽出された16設問を対象に,チーム活動により「病院の診療レベルが上がっている」「患者・家族の満足度が高くなっている」を合成した目的変数で重回帰分析をした.その結果,(1)チーム活動が病院や病棟から評価されている(2)チームの方針や考え方が柔軟に見直されている(3)メンバーが「チームはうまくいっている」と感じている(4)メンバーが気分的な充実感を感じている,の4点が見出された.さらに,メンバー間のモチベーションの差が大きい場合や特定の人に依存している場合は,チームがうまくいっていないと感じる傾向があった.
学会誌JSPEN Vol.5 No.1
急性期病院における栄養サポートチームメンバーの意識と行動に関する実態調査から明らかになった充実感を持つチームの条件
著者
福原麻希1),児玉直樹2),真壁 昇3,4),森兼啓太5),当麻哲哉6)
所属
1) 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所,2)新潟医療福祉大学 医療技術学部 診療放射線学科,3) 関西電力病院 疾患栄養治療センター,4) 美作大学 生活科学部,5)山形大学医学部附属病院 検査部 感染制御部,6) 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科
キーワード
チーム医療,多職種横断的チーム,アンケート調査
DOI
10.11244/ejspen.5.1_11