要旨
【目的】管理栄養士による栄養サポート強化の効果を,誤嚥性肺炎患者を対象として検討した.【対象および方法】誤嚥性肺炎にて入院した患者を対象に,栄養サポート強化前後の期間で強化前群(48例),強化後群(52例)に分け,後ろ向き観察研究を行った.主要評価項目は在院日数とした.【結果】強化後群において,管理栄養士の初回介入までの日数が短縮し,開始食の内容や食事内容の調整を始めとした食事内容変更提案の承認回数が増加した.その結果,経口摂取開始,および経口摂取での目標たんぱく質充足までの期間は短縮し,在院日数は短縮した(強化前群:20日,強化後群:16日,p = 0.028).多変量解析の結果,管理栄養士による栄養サポート強化は在院日数に関連する独立した要因であった(オッズ比:0.26,95%信頼区間:0.08–0.79,p = 0.017).【結論】管理栄養士による栄養サポート強化は,誤嚥性肺炎患者の在院日数を短縮する可能性がある