要旨
【目的】入院患者の簡便な栄養スクリーニング方法として,主観的包括的指標(Subjective Global Assessment;以下,SGAと略)を基準としてControlling Nutritional Status変法(CONUT変法;以下,変法と略)の有用性を検証し,さらに変法をベースに,より良いスクリーニング方法を作成することを目的とした.【方法】変法とSGAの栄養評価の一致度および関係,変法スコアのカットオフ値の検討,変法と体重or食事量減少とを組み合わせた指標と SGA中度不良以上との関係を解析した.【結果】変法と SGA の栄養レベルの一致度はκ = 0.122,相関はrs = 0.276であった.SGA中度不良以上となる変法スコア≥5の感度は81.8%,特異度は41.8%(p = 0.042)であり,変法スコア≥5かつ体重or食事量減少有の組み合わせでの感度は77.3%,特異度は67.1%(p < 0.001)であった.【結論】SGAを基準とした場合,変法単独のスクリーニングでは特異度が低かったが,変法に体重減少or食事量減少の有無を組み合わせることで特異度が上昇し,簡便で有用なスクリーニング法となると考えられた.
学会誌JSPEN Vol.5 No.1
CONUT変法を用いた栄養不良入院患者スクリーニング方法の検討
著者
髙橋俊介1),田中美和2),清水彩子2),大木直子3),樋口恵利子3),井出 忍4)
所属
1) JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター 臨床検査科,2) JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター 薬剤部,3) JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター 栄養科,4) JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター 看護部
キーワード
CONUT変法,栄養不良入院患者,スクリーニング
DOI
10.11244/ejspen.5.1_49