要旨
【目的】90 歳以上の入院患者の投与エネルギー量を検討した.【対象および方法】2008 年4 月から2022 年3月でnutrition support teamが介入した90 歳以上の症例で,4 回(21 日)以上評価を行った294 例を調査した.初回と最終回のGeriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRIと略)を比較し,GNRI上昇群161 例,不変群9 例,低下群124 例の3 群で,最終回の推奨エネルギー量,推奨エネルギー量達成率,投与エネルギー量を比較した.【結果】推奨エネルギー量に有意差はなく,推奨エネルギー量達成率,投与エネルギー量は上昇群と低下群に有意差を認めた.推奨エネルギー量,同達成率は,上昇群で999.4 kcal,99.7%であり,低下群で994.0 kcal,88.2%であった(p < 0.01).投与エネルギー量は上昇群で1,003.1 kcal,低下群で879.9 kcalであった(p < 0.01).【結論】90 歳以上の入院患者の栄養リスクを低下させない至適エネルギー量は約1,000 kcal と示唆された.