要旨
【目的】入院中の小児患者における体重増加不良に影響を与える因子の検討を行った【対象および方法】小児患者111 名を対象とし,後ろ向きコホート研究を行った.体格評価には身長体重標準曲線から算出した standard deviation値を用いた.nutrition support team介入前後での体重ΔSD値をアウトカムに,栄養学的因子を年齢・治療方法などの共変量で補正した重回帰分析(強制投入法)を行った.【結果】介入開始時平均年齢は8.1 ± 4.4 歳,疾患の種類は血液悪性腫瘍50 名,固形腫瘍30 名,脳腫瘍12 名,その他19 名であった.平均介入日数144.5 ± 87.8 日,介入開始時の平均体重SD値–0.6 ± 1.4,介入期間中の平均体重ΔSD値0.03 ± 0.7 であった.重回帰分析の結果,造血幹細胞移植の有無が体重ΔSD値を低下させる有意な因子であった.【結論】造血幹細胞移植治療を行う患者には診断後早期から重点的な栄養介入を行う必要性が示唆された.