学会誌JSPEN Vol.6 No.1
サルコペニアの誤嚥性肺炎患者に対する外科的治療による摂食と栄養改善《治療イメージグラフによる情報共有》
著者
内田真哉1),井川 理2),山下弘子3),山口真紀子3),福田恭子3),風岡拓麿3),石田なおみ4),小原真菜美4),中西裕明5),石橋裕子6)
所属
1) 京都第二赤十字病院 耳鼻咽喉科・気管食道外科,2) 京都第二赤十字病院 外科,3) 京都第二赤十字病院 栄養課,4) 京都第二赤十字病院 看護部,5) 京都第二赤十字病院 薬剤部,6) 京都第二赤十字病院 リハビリテーション科
キーワード
誤嚥性肺炎,栄養療法,サルコペニア
DOI
10.11244/ejspen.6.1_17
詳細
本邦では多くの患者が誤嚥性肺炎でなくなる.一般的に高齢者の誤嚥性肺炎は加齢,活動性の低下といったフレイルの状態から,徐々に介護期・終末期に移行し,終末期ともなると患者の経口摂食に対する要求を満たすことは困難となる.
本論では介護期・終末期における誤嚥性肺炎患者の摂食への要求に対して,手術を含めた栄養改善療法の意義について考察し,この時期における適切な治療の方向性を共有するため,その栄養療法の選択と予後についてのイメージグラフを作成した.
また,終末期誤嚥性肺炎に対する外科的治療の適応は未確立だが,有効例を挙げて考察を加えた.症例は77歳,男性,脳梗塞後の脳血管性パーキンソニズムで,サルコペニアによる嚥下障害にて繰り返す誤嚥性肺炎を認めた.当科への転院時,体重30 kgを下回り,Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus(MRSA)肺炎となっていたが,誤嚥防止術として声門下喉頭閉鎖術を施行し,患者の望むカレーライスの摂食が可能となった.
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