学会誌JSPEN Vol.6 No.1
シアノアクリレート製剤を用いた末梢挿入型中心静脈カテーテル管理の有用性
著者
柳橋美幸1),田邉亜純1),藏田能裕2),松本泰典2)
所属
1) 千葉大学医学部附属病院 看護部,2) 千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
キーワード
末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC),中心静脈カテーテル関連合併症,カテーテル逸脱
DOI
10.11244/ejspen.6.1_23
詳細
【目的】末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central venous catheter;以下,PICCと略)管理における,シアノアクリレート製カテーテル接着剤(catheter securement cyanoacrylate adhesive;以下,CSCAと略)の有用性を検討する.
【対象と方法】当院で PICCを挿入した117例を対象とした.従来の無縫合固定器具のみで固定した群(Control群32例)とCSCAを追加した群(CSCA群85例)に分け,カテーテルの逸脱距離と出血の程度を比較した.
【結果】CSCA群でカテーテルの逸脱が抑制され(12.0 ± 11.8 mm vs. 4.0 ± 4.3 mm,p < 0.01),刺入部からの出血も少なかった(21例(65.6%)vs. 6例(7.1%),p < 0.01).
【結論】CSCAの使用で合併症を低減できる可能性があるが,医療者の負担をより少なくするカテーテル管理法を検討する必要がある.
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