学会誌JSPEN Vol.6 No.1
上部消化管手術後の口腔衛生状態変化に関する中長期追跡研究
著者
久保田啓介,遠藤さゆり,磯田一博,鈴木淳司,山口良子,小野幸恵,市川奈津子,稲垣綾子,日下浩二
所属
JCHO東京山手メディカルセンター 栄養サポートチーム
キーワード
食道がん,胃がん,周術期等口腔機能管理
DOI
10.11244/ejspen.6.1_45
詳細
【目的】周術期には口腔衛生環境が悪化するので口腔ケアが重要である.上部消化管手術から中長期間経過後での口腔衛生状態の変化を調査した.【対象および方法】2018~2021年に食道胃切除再建術を実施した16例を解析した.臨床情報と歯科診察情報を収集した.口腔衛生状態,齲歯の変化をWilcoxon符号順位検定で検定した.齲歯の増加に関与する因子をχ2-検定と多変量解析で解析した.【結果】手術から中長期間の経過で齲歯は増加する傾向を示した.齲歯の増加に関与する因子として単変量解析では肥満度指数,原疾患,再入院理由が有意であり,多変量解析では食道がん(p = 0.066),化学療法以外再入院(p = 0.128)が関与する傾向を示した.【結論】上部消化管手術の中長期経過後には齲歯が増加し,この増加には食道がん,化学療法以外再入院が関与する傾向を示した.
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