要旨
要旨:【目的】介護老人保健施設(以下,老健と略)における入所者の喫食状況や血中ビタミン濃度に関する報告は極めて少なく,その実態は十分に分かっていない.そこで,老健で食事内容と喫食率の調査を行い,さらに栄養補助食品を提供した場合の影響を検討した.【方法】参加に同意を得ることができた入所者18 名を対象とした.食事に加え,28 日間,1 日1 本,ビタミン
B1,ビタミンB2,ビタミンB6(以下,VB6 と略),ビタミンD(以下,VD と略)を強化した栄養補助食品を追加提供し,介入前後の各種血中ビタミン濃度について前後比較を行った.【結果】喫食率は90%以上であり,ビタミンの食事からの摂取量は十分であったにも関わらず,VB6 で6 名(33.3%),VD で18 名(100%)が基準値を下回っていた.介入後,それらは有意に高値となり,基準値未満の入所者は,VB6 で1 名(5.6%),VD で5 名(27.8%)まで減少した.【考察】VB6 およびVD は食事からの提供量を増量することが望ましいと考えられ,その手法として栄養補助食品の提供が有用であると考えられた.
学会誌JSPEN Vol.1 No.3
介護老人保健施設における喫食状況および血中ビタミン濃度の調査と栄養補助食品の摂取が及ぼす影響の検討
著者
矢澤 貴,大竹悟史,赤澤直也,小山 淳,柹田徹也,土屋 誉
所属
仙台市医療センター 仙台オープン病院 消化器外科
キーワード
介護老人保健施設,ビタミンD,ビタミンB6