学会誌JSPEN Vol.6 No.2
低侵襲胃がん手術後1カ月の体組成変化と除脂肪体重減少の要因
著者
小倉実希1),松岡 宏2),田中 毅2),山下千鶴3),一丸智美1),篠原彩恵理1),平野 好1),伊藤明美1),須田康一2)
所属
1) 藤田医科大学病院 食養部,2) 藤田医科大学 総合消化器外科学講座,3) 藤田医科大学 麻酔・侵襲制御医学講座
キーワード
胃切除,栄養障害,体組成
DOI
10.11244/ejspen.6.2_83
詳細
【目的】胃がん手術後の体重減少は,生活の質の低下など影響をおよぼす重要な課題である.今回,低侵襲胃がん手術後1カ月の体組成変化と除脂肪体重減少の要因について検討した.【対象および方法】2021年4月から2022年8月で低侵襲胃がん手術の術前および術後1カ月に体組成測定した88例を対象とした.術後1カ月の除脂肪体重減少率の中央値(2.4%)以下46例をLow群(以下,L群と略),中央値より大きい42例をHigh群(以下,H群と略)とし比較検討した.また,重回帰分析にて除脂肪体重減少のリスク因子を検討した.【結果】L群,H群の術後1カ月の変化は体重–5.4%,–7.1%,体脂肪量–16.3%,–13.9%であった.重回帰分析の結果,術前体脂肪率(p < 0.01)が有意な変数として抽出された.【結論】術前体脂肪率低値は,術後1カ月の除脂肪体重減少の有意な危険因子であり,術前からの介入を要すると考えられた.
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