学会誌JSPEN Vol.6 No.2
エコーガイド下末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)の挿入における血管穿刺回数と挿入血管の関係
著者
国島正義,竹田明希子,岩崎泰昌
所属
国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター 救急科
キーワード
エコーガイド,血管穿刺,PICC
DOI
10.11244/ejspen.6.2_103
詳細
【目的】末梢挿入型中心静脈カテーテル(Peripherally Inserted Central Catheters:以下,PICCと略)挿入手技であるエコーガイド下での血管穿刺において,血管穿刺回数とPICC挿入血管の関係を明らかにすることを目的とした.
【方法】血管穿刺回数では,血管穿刺が1回だった症例を単回穿刺とし,2回以上の症例を複数回穿刺とした.血管穿刺の関連要因は性別,穿刺血管,血管径,血管の深さとし,t検定,χ2検定およびロジステック回帰分析を用いて解析した.
【結果】対象507症例中,単回穿刺425症例,複数回穿刺82症例であった.単変量解析では穿刺血管と血管径で有意差を認め,ロジステック回帰分析において,上腕静脈より尺側皮静脈の方が単回穿刺であった.また,血管径では6 mm以上が単回穿刺であった.
【結論】PICC挿入におけるエコーガイド下血管穿刺では,血管径が太い血管を第一選択とし,尺側皮静脈と上腕静脈が同程度の血管径であれば尺側皮静脈を選択すると単回穿刺で行いやすい.
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