桜をゆっくりと眺めたいそんな時期ではありますが,新年度を迎え読者の皆様も日々お忙しくお過ごしのことと思います.やっと暖かい春到来と思いきや,季節外れの真夏日になったりと身体が(衣替えも)追いつきませんね.
 さて,この度発刊の学会誌JSPEN Vol. 6 No. 2 は原著,臨床経験,症例報告,研究報告,Letter,学会参加記,国内施設研修支援制度報告記と興味深い内容が集まっておりますのでぜひ一読ください.そのなかで,今回の私の一押し論文は,「エコーガイド下末梢挿入型中 心静脈カテーテル(PICC)の挿入における血管穿刺回数と挿入血管の関係」です.腸を使う栄養管理は重要ですが,実際の臨床では経腸栄養だけで十分な栄養管理を行えない症例があり,輸液にて補完する機会も 多いと思います.この輸液(特にTPN)と経腸栄養を併用する栄養管理法は「combined nutritional therapy」という概念で提唱され,PICC は有用なツールとして用いられています.本論文は,診療看護師によるエコー ガイド下PICC 挿入時の血管選択に関する内容です.PICC 挿入は,看護師特定行為で施行可能であり,タスクシェアに繋がる手技の一つであり,今後さらに汎用されることが想定されます.安全な血管路確保は栄 養療法の第一歩として重要であり,臨床に役立つ研究報告と思われます.
 私は昨年,編集委員長の亀井 尚先生のご高配で本雑誌の編集委員に加えていただきました.原著論文だけでなく症例報告や研究報告の一つ一つから,みなさまの臨床での取り組みや苦労などを共有でき,本雑誌の意義を実感しています.私は幸い編集者という立場を頂きましたが,著者と同じ想いでいい論文が作り出せるよう微力ながら尽力したいと思いますので,学会誌JSPEN へ奮ってご投稿ください.またJSPEN では,JSPEN の英文誌オフィシャルジャーナルであるAnnals of Nutrition and Metabolismへアクセプトされた場合のAPC(論文掲載料)を助成する制度を開始しております.会員皆様の継続的な研究成果発信の一助になれば幸いです.

2024年5月吉日
e-journal「学会誌JSPEN」編集委員会 
熊本大学大学院 消化器外科 井田 智

編集委員会
委 員 長:亀井 尚
副委員長:千葉正博
編集委員:天野良亮  井田 智  神谷貴樹
     立石 渉  長沼 篤  中山真美
     森實敏夫
顧  問:鍋谷圭宏

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学会誌JSPEN Vol.6 No2
令和6年5月15日発行

一般社団法人 日本栄養治療学会
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4丁目4-3
喜助日本橋室町ビル4階
MAIL:jimukyoku@jspen.or.jp

ジャーナル制作 中西印刷株式会社
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