背景:乳がん関連上肢リンパ浮腫において,減量は浮腫を改善するが体脂肪量減少と浮腫改善の関連は明らかではない. 対象・方法:2016年6月~2018年12月に栄養指導を実施した乳がん関連上肢リンパ浮腫患者.体脂肪量変化と浮腫改善効果の関連を後方視的に検討した. 結果:対象27名の指導後Body mass index(kg/m2)中央値(範囲)は27.6(23.5–38.9)であり,指導開始前の28.5(23.4–43.2)と比較して有意に減少した(P < 0.001).患側細胞外水分比は0.388(0.372–0.422)であり,指導開始前の0.390(0.378–0.421)と比較して減少傾向が見られた(P = 0.211).浮腫減少良好群の健側体脂肪量変化は–0.20(–1.35~+0.19)kg,不良群のそれは–0.01(–0.96~+0.57)kgであった(P = 0.049). 結語:栄養指導による減量はリンパ浮腫を改善した.改善度合いは病期などによる個人差があるため,患側の浮腫測定だけではなく,健側の脂肪量測定が適切な栄養指導の評価指標になり得る.