【目的】アナモレリン導入後の早期改善効果と患者予後との関連を調査する. 【方法】2021年7月1日~2023年6月30日にがん悪液質と診断され,アナモレリンが導入された消化器がん患者を調査した.初回評価時に体重増加および食欲不振の改善を得た患者:早期改善群と,その他:非改善群に分け,患者背景,継続投与の有無,予後を比較検討した. 【結果】対象は65名(早期改善群12名,非改善群53名),早期改善群は導入前6カ月の体重減少率が大きく,全例アナモレリンを12週継続できていた.3カ月死亡は早期改善群0% vs非改善群32.1%で(P = 0.027),6カ月死亡は16.7% vs 52.8%(P = 0.028)と早期改善群で低値だった. 【結語】アナモレリンの早期改善効果は,以降の継続投与や患者予後に影響することが示唆された.早期改善に関連する患者因子は未だ不明点が多く,更なる検討が望まれる.