学会誌JSPEN Vol.6 No.4
当院の栄養サポートチームが提案する栄養療法の実施状況:コアメンバーによる実施を促す工夫とその効果
著者
横浜吏郎1,2,3),明石弥生1,4),但馬久貴1,5),玉木陽穂1,2,3)
所属
1) NHO旭川医療センター 栄養サポートチーム,2) NHO旭川医療センター 臨床研究部,3) NHO旭川医療センター 消化器内科,4) NHO旭川医療センター 看護部,5) NHO旭川医療センター 栄養管理室
キーワード
NST,栄養療法,実施率
DOI
10.11244/ejspen.6.4_207
詳細
[目的]栄養サポートチーム(Nutrition Support Team;以下,NSTと略)の提案する栄養療法の中には,実施されない事例もある.当院のNSTが提案した栄養療法の実施率と未実施の理由を調査した.[対象および方法]2018年度と2022年度に当院のNSTが介入した入院患者を対象とした.両年の患者背景,介入回数,提案回数を調査し,提案した栄養療法の実施率,未実施の理由を比較した.[結果]提案した栄養療法の実施率は73.3%から97.0%へ増加した.また,ケアレスミスや主治医の否認による不適切な未実施が16.1%から0.6%へ,患者の拒絶による未実施は3.6%から0.6%へ減少した.[結論]当院のNSTが提案した栄養療法の実施率は経年的に向上しており,2020年度に始めた介入症例に対する事前の栄養相談,主治医との連携強化,食事・注射オーダーのダブルチェックが要因として考えられた.
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