要旨
要旨:【目的】脳卒中回復期における熊リハパワーライスⓇの臨床効果の検討.【対象と方法】2015 年から2016 年に連続入院した脳卒中回復期患者204 人を対象とした後向きコホート研究.物性や分量,味や匂いを損なわず,軟飯に中鎖脂肪酸とたんぱく質を混ぜ込んだ熊リハパワーライスⓇを用い食事管理を行った患者群と,通常の食事管理を行った患者群の単変量解析,意識状態,嚥下レベル,栄養状態,日常生活自立度(FIM 運動)等,12 項目の傾向スコアでマッチングした2 群間の検討と退院時FIM 運動を従属変数とした多変量解析を行った.【結果】対象者は204 人(平均年齢73.6 歳,男性109 人,女性95 人),脳梗塞127 人,脳出血62 人,くも膜下出血15 人.マッチング後(両群とも38 人)では,熊リハパワーライスⓇ摂取群は非摂取群と比較して多くのエネルギーを摂取し,体重と骨格筋量が増加,退院時の常食摂取の割合が高く,FIM 運動が高かった(全てp<0.05).多重回帰分析では,熊リハパワーライスⓇ摂取は退院時FIM 運動に独立して関連していた(β =.169,p=0.02).【考察】熊リハパワーライスⓇは脳卒中回復期における栄養改善,身体機能改善に有効である.
学会誌JSPEN Vol.1 No.3
熊リハパワーライスⓇは脳卒中回復期の栄養状態や機能的予後を改善する
著者
嶋津さゆり1),吉村芳弘2),上野いずみ1),工藤 舞1),白石 愛3), 備瀬隆広4),長野文彦4),濱田雄仁4)
所属
熊本リハビリテーション病院 栄養管理科1),同 リハビリテーション科2),同 歯科口腔外科3),同 リハビリテーション部4)
キーワード
中鎖脂肪,低栄養,脳卒中