学会誌JSPEN Vol.7 No.1
病棟専従・専任管理栄養士の配置による患者・スタッフに対する影響と課題
著者
菅野義彦1),佐藤由美2),原 純也3),宮澤 靖4),槇枝亮子5),山口めぐみ6),本川佳子7),遠藤陽子8),西岡心大9),斎藤恵子10)
所属
1) 東京医科大学 腎臓内科学分野,2) 北里大学病院 栄養部,3) 武蔵野赤十字病院 栄養課,4) 東京医科大学病院 栄養管理科,5) 川崎医科大学附属病院 栄養部,6) 相澤病院 栄養科 栄養管理室,7) 東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム,8) 川崎医科大学附属病院 栄養部,9) 長崎リハビリテーション病院 栄養管理室,10) 東京科学大学病院 病院長参与
キーワード
診療報酬加算,コミュニケーション,施設運営
DOI
10.11244/ejspen.7.1_9
詳細
2022年の診療報酬改定において新設された入院栄養管理体制加算は,管理栄養士が病棟に常駐して医療チームの一員となって勤務することが評価推奨されたと考えられる.しかし多くの特定機能病院では体制構築の準備が不十分であり,現状のリソースで実施可能な範囲で行わざるを得ず,期待される結果を出せる状態ではない.先行した施設では執行部から体制構築による収支試算が求められ,人員の選抜や配置調整などにも大変な労力を要した.加算による部署収入増や入院期間の短縮など財務的価値と考えられる結果も得られたが,現場では他の医療者とのコミュニケーション向上やタスクシフト,患者満足度など数値化の難しい非財務的価値が得られた.こうした効果をさらに多くの施設から報告して,発足した制度を多くの施設に普及するための資料とする必要がある.
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