要旨
要旨:【目的】消化器外科における包括医療費支払制度(diagnosis procedure combination;以下,DPC と略)長期入院ハイリスク群の抽出,ならびに現状のDPC 入院期間設定の妥当性検証を目的とした.【対象および方法】2016 年4 月から2017 年3 月までに当科を退院したDPC 算定全657 例を対象とした.短期入院群,長期入院群に分類し,各種項目について比較した.過去起点コホート研究を行い,DPC 長期入院のリスク因子を抽出し,長期入院が予想されるグループを決定した.各種サブグループにおけるDPC 期間Ⅱと実際の在院日数とを比較し,現状のDPC 期間設定の妥当性を検証した.【結果】長期入院群は有意に低栄養であった.SGA,アルブミン値が長期入院のリスク因子であった.低栄養群では平均DPC 期間Ⅱと平均在院日数に乖離がみられた.【結論】低栄養症例に対する適切な栄養管理で入院期間を短縮させるとともに,DPC 入院期間設定のための調査項目に入院時栄養状態を加えることが望ましいと考えた.
学会誌JSPEN Vol.1 No.3
消化器外科における入院時栄養状態とDPC入院期間についての検討
著者
壷井邦彦,李 悠,岡村昌彦,水上 陽,伊藤鉄夫,太田秀一,足立幸人
所属
社会福祉法人 恩賜財団済生会 大阪府済生会野江病院 消化器外科
キーワード
DPC,入院期間,栄養