要旨
要旨:【目的】経管栄養が長期化している児では,経口摂取が可能であるにも関わらず嫌悪する場合がある(oral aversion).計画的な経管栄養減量プログラムの経験を得たので報告する.【方法】外来で摂食・嚥下機能,栄養状態,食環境を評価し,入院1〜5 日目に経管栄養を10%ずつ50%まで減量(空腹誘導期),入院6 日目に経管栄養を中止(集中的減量期)し,経口摂取を促した.【結果】症例1:先天性横隔膜ヘルニア術後2 歳,経鼻胃管管理.空腹誘導期に経口摂取は進まず,集中的減量期に無症候性低血糖が出現.プログラムを中止したが外来にて経口摂取が増加し,プログラム開始27 日目に経管栄養を離脱した.症例2:先天性横隔膜ヘルニア術後3 歳,胃瘻管理.空腹誘導期に経口摂取が増加し,入院6 日目に経管栄養を離脱した.【結語】本プログラムは経口摂取の増加・経管栄養離脱の契機として有用である可能性が示唆された.