学会誌JSPEN Vol.7 No.3
栄養再開に配慮した濃厚流動食ハイネックスリニュートが低蛋白質栄養ラットの栄養再開初期における糞便性状と血漿リン濃度に与える影響
著者
齋川雄一,山岡一平
所属
株式会社大塚製薬工場 OS-1事業部 メディカルフーズ研究所
キーワード
低栄養,経管栄養,血漿リン濃度
DOI
10.11244/ejspen.7.3_119
詳細
【目的】低蛋白質栄養状態への経腸栄養投与開始時に問題となる糞便性状悪化および血漿リン濃度低下について,新規濃厚流動食による効果を,ラットを用いて検証した.
【対象および方法】胃瘻を造設した低蛋白質栄養ラットの胃内へ新規濃厚流動食または市販の対照濃厚流動食を投与し,濃厚流動食の投与開始から3日間の血漿リン濃度を測定した.また,2週間の持続管理を行った際の体重および糞便性状スコアを基に栄養評価を行った.
【結果】新規濃厚流動食群では投与開始翌日の血漿リン濃度が対照濃厚流動食群よりも有意に高値であり,栄養再開初期の血漿リン濃度の低下を抑制することが示唆された.2週間の持続栄養管理では新規濃厚流動食群で投与期間を通して体重は増加し,糞便性状スコアも良好な結果が得られた.
【結論】新規濃厚流動食は低蛋白質栄養状態への栄養再開初期に糞便性状を悪化させることなく血漿リン濃度の低下を抑制することが示唆された.
論文ダウンロード