【目的】半固形化栄養剤ハイネックス®ゼリー(以下,HNと略)は,製剤の粘度を高めるためゲル化剤に低強度寒天を使用した.本研究では,粘度上昇後も従来の製品と同等の操作性および栄養補給効果が維持されるかを検証した.【対象および方法】実験1では半固形化栄養剤HN;n = 12,ハイネ®ゼリー(以下,H);n = 6,薬価基準収載の半固形化栄養剤(以下,R);n = 6の製剤粘度およびチューブ通過性を評価した.実験2では胃瘻を造設したラットに,胃瘻から半固形化栄養剤(HN;n = 9,H;n = 8)を持続投与した際の栄養評価および糞便性状の評価を行った.【結果】HNはHに比して製剤粘度およびシリンジ押出力は有意に高値であったが,加圧バッグ使用時の排出時間およびチューブ付着性に差はなかった.ラットに投与した際の糞便性状は良好であり,体重,血液検査値および窒素出納も同等であった.【結論】新規のゲル化剤で粘度を上昇させたHNは,Hと同様の操作性であり,窒素出納も劣らないと示唆された.