この編集後記を書いている今日は2025 年6 月27 日,私の住む福岡県を含む九州全域から中国・四国・近畿までが梅雨明けしました.九州北部では平年より22 日早く,統計を取り始めてから最も早い梅雨明けだそうです.昨年,最高気温が35 度以上の猛暑日が62 日と国内の年間最多を更新したのが福岡県(太宰府市)です.晴れ渡った空とは裏腹に,これから始まる猛暑との長期戦がいつまで続くのか考えると憂鬱になりますが,そんな時は冷房の効いた部屋で学会誌JSPEN を 読みながら快適に過ごしましょう.
 さて,学会誌JSPEN Vol. 7 No. 3 には,原著論文2 編,総説1 編,症例報告1 編,研究報告1 編,報告記8 編が掲載され,盛りだくさんの内容となっています.いずれも興味深い内容で非常に悩みましたが,「栄養再開に配慮した濃厚流動食ハイネックスリニュートが低蛋白栄養ラットの栄養再開初期における糞便性状と血 漿リン濃度に与える影響」という原著論文を私の一押し論文に選びました.私感ですが,近年,栄養管理の重要性が広く認知され迅速に栄養投与が開始されるよ うになるにつれ,リフィーディング症候群の発生頻度は増加しており,実は医療者が気付けていないケースも多いのではと感じています.リフィーディング症候群の予防は開始投与カロリーを抑えることが原則ですが,糖質比率を抑え,脂質比率を上げた栄養剤の有効性が報告され始めており,この論文ではラットで検証されています.
 報告記では2024 年度の国内施設研修支援制度報告が8 編掲載されています.研修先は大学病院,がんセンターから訪問看護ステーションまで多岐にわたって います.みなさん有意義な経験をされたと記されています.残念ながら本年度の募集はまさに今日6 月27 日に締め切られていますが,興味のある若手の方々はぜ ひ来年応募してみてはいかがでしょうか.


2025年7月吉日 e-journal「学会誌JSPEN」 編集委員会
雪の聖母会聖マリア病院  小児外科  浅桐公男

編集委員会
委 員 長:石橋生哉
副委員長:千葉正博
編集委員:浅桐公男  小川恵子  川口 巧
     立石 渉  谷口英喜  中山真美
     宮田 剛  元井冬彦


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学会誌JSPEN Vol.7 No3
令和7年7月31日発行

一般社団法人 日本栄養治療学会
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4丁目4-3
喜助日本橋室町ビル4階
MAIL:jimukyoku@jspen.or.jp

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