【目的】成人短腸症候群患者の現状と治療実態を明らかにするためアンケート調査を行った. 【方法】本学会会員施設を対象に,2019年1月1日から2022年3月31日までに施設で治療を受けている成人短腸症候群患者のアンケート調査を実施した. 【結果】1,289施設のうち296施設(23%)から回答が得られた.患者は全国に存在し,在宅を含め幅広い施設で管理されていた.唯一の短腸症候群治療薬として本邦で認可されたテデュグルチドの使用は約半数の施設にとどまり,その理由としては,経済的理由,病態による影響などが挙げられていた.また,未解決の医療および社会的要望(以下,アンメットニーズと略)として,患者側からは外出時の問題などが,医療者からはガイドラインや診療の手引きがないことが挙げられていた. 【結論】短腸症候群は希少疾患にもかかわらず,全国の様々な施設で治療を受けている実情が見られた.必要とされるサポートも多岐にわたるため,今後は情報を共有する場が必要になるものと考えられた.