学会誌JSPEN Vol.7 No.4
成人短腸症候群患者の実態を調べるためのアンケート調査
著者
千葉正博1),加治 建2),唐沢浩二1),熊谷厚志3),田附裕子4),藤谷竜磨5),牧 宏樹6),米倉竹夫7),佐々木雅也8),
所属
1) 昭和大学薬学部 臨床薬学講座臨床栄養代謝学部門,2) 久留米大学医学部 外科学講座小児外科部門,3) 北里大学医学部 上部消化管外科学,4) 兵庫医科大学 消化器外科学 小児外科,5) 東京都保健医療公社大久保病院 薬剤科,6) 甲府市地域医療センター 救急調剤薬局,7) 奈良県総合医療センター 小児外科,8) 甲南女子大学 医療栄養学部医療栄養学科
キーワード
成人短腸症候群,アンメットニーズ,アンケート
DOI
10.11244/ejspen.7.4_211
詳細
【目的】成人短腸症候群患者の現状と治療実態を明らかにするためアンケート調査を行った.
【方法】本学会会員施設を対象に,2019年1月1日から2022年3月31日までに施設で治療を受けている成人短腸症候群患者のアンケート調査を実施した.
【結果】1,289施設のうち296施設(23%)から回答が得られた.患者は全国に存在し,在宅を含め幅広い施設で管理されていた.唯一の短腸症候群治療薬として本邦で認可されたテデュグルチドの使用は約半数の施設にとどまり,その理由としては,経済的理由,病態による影響などが挙げられていた.また,未解決の医療および社会的要望(以下,アンメットニーズと略)として,患者側からは外出時の問題などが,医療者からはガイドラインや診療の手引きがないことが挙げられていた.
【結論】短腸症候群は希少疾患にもかかわらず,全国の様々な施設で治療を受けている実情が見られた.必要とされるサポートも多岐にわたるため,今後は情報を共有する場が必要になるものと考えられた.
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