学会誌JSPEN Vol.7 No.5
経皮内視鏡的胃瘻造設術の造設の可否と胃の高さとの関連についての検討
著者
風間義弘1),尾花和子2)
所属
1) 日本赤十字社医療センター 胃・食道外科,2) 日本赤十字社医療センター 小児外科
キーワード
経皮内視鏡的胃瘻造設術,実現性,胃の高さ
DOI
10.11244/ejspen.7.5_221
詳細
【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;以下,PEGと略)は造設を企図しても造設できない症例が散見される.造設できない原因の一つとして,胃が頭側高位に位置しており胃壁が腹壁に接近しないことが挙げられる.今回造設の可否と胃の高さとの関連について検討した.
【対象および方法】当院にて2017年1月から2024年3月までPEGが企図された214例を対象とした.術前撮影したCTにて剣状突起下端と胃下端の高低差を測定し,造設可能群と不可能群で比較した.
【結果】数値標記は中央値(四分位範囲).造設可能群は208例,不可能群は6例であった.可能群の高低差は85 mm(60–110),不可能群の高低差は20 mm(10–30)であり,有意差を認めた(p < 0.0001).40 mm以上は全例造設可能であり,30 mm以下は全例造設不可能であった.
【結語】剣状突起下端と胃下端の高低差はPEGの可否の指標となる可能性が示された.
論文ダウンロード