【目的】院内迅速検査の導入が,亜鉛欠乏症の診療プロセスに与える影響を明らかにする. 【対象および方法】単施設後方視的研究として,外部委託の1年間(前期)と院内検査導入後の1年間(後期)において,亜鉛検査実施数,新規に亜鉛欠乏症または潜在性亜鉛欠乏症と診断された患者における亜鉛製剤の処方率,2カ月以内のフォロー採血実施率および処方までの日数を比較した. 【結果】検査実施数は,前期1,061件,後期1,685件と後期で有意に増加した(P < 0.001).入院患者では,診断後のフォロー採血実施率(25.0% vs 38.7%,P = 0.03)および亜鉛製剤処方率(28.4% vs 43.3%,P = 0.02)が有意に増加し,亜鉛製剤処方までの日数は,入院・外来いずれにおいても後期で有意に短縮していた(いずれもP < 0.001). 【結論】亜鉛測定の院内迅速化は検査数の増加,入院患者におけるフォローアップおよび治療介入の促進,処方開始までの時間短縮に関連していた.