食物アレルギーを背景に約7年間食品構成が固定化されていた20歳代男性が,葉酸およびビタミンB12複合欠乏による巨赤芽球性貧血を呈した.入院時Hb 3.8 g/dL,MCV 108.8 fLと大球性貧血および汎血球減少を認め,血清葉酸およびビタミンB12はいずれも著明に低値であった.入院後,管理栄養士が本人および家族から詳細に食事内容を聴取し,日本食品標準成分表(八訂)に基づき摂取量を算出したところ,ビタミンB12および葉酸はいずれも推奨量の65~75%にとどまっていた.一方,Body Mass Index 16.1 kg/m2と低体重であり,Subjective Global Assessmentにおいても中等度の栄養障害と評価された.本症例は,低栄養状態に加えて食品構成の長期固定化により微量栄養素欠乏が顕在化した症例と考えられた.食物アレルギー患者では,アレルゲン回避のみならず,食品構成,微量栄養素摂取量,および栄養状態を含めた包括的な栄養評価が重要である.