要旨
在胎34~35週の早産児の栄養管理法は明確に定まっていない.我々は2012年1月から2018年6月に当院NICUに入院した在胎34~35週の早産児146例について,parenteral nutrition(以下,PNと略)を併用したcombined nutritional therapy(以下,CNTと略)群と経腸栄養群に群別し,栄養管理の状況や体格への影響を後方視的に検討した.CNT群は在胎34週76例中74例,在胎35週70例中22例であった.在胎35週の児において,出生体重はCNT群と経腸栄養群間で有意差を認めたが,退院時体重は両群間で有意差がなかった.在胎34週CNT群の退院時体重は在胎35週の児と同等で,生後3カ月時点での体格も有意差を認めなかった.PN関連有害事象は認めなかった.在胎34~35週の早産児において,CNTが体格差を改善する可能性が示唆され,PN導入を検討すべき対象であると考えられた.
学会誌JSPEN Vol.1 No.4
在胎34~35週の早産児における出生直後からの経静脈的栄養サポートの有用性
著者
阿部 聖,呉屋英樹,吉田朝秀
所属
琉球大学医学部附属病院 育成医学講座(小児科)
キーワード
後期早産児,静脈栄養併用経腸栄養,子宮外発育不全