要旨
多職種で連携支援した超短腸乳児の自験例について,管理栄養士の視点で報告する.症例は在胎29週4日,1,420gで出生した男児.16生日に劇症型壊死性腸炎を発症,小腸結腸亜全摘となり腸管不全に陥った.長期中心静脈栄養合併症回避のため,暦齢6カ月(修正月齢3カ月半)から固形離乳食の経口栄養管理にチームで着手した.適切な口腔内馴化,喫食姿勢の安定保持,腸管粘膜低刺激性の食品選定,非賦形剤形の蠕動制御薬処方,徹底した臀部スキンケア,実生活に即した栄養指導,両親の介護ストレスケア等,各々の専門知識を発揮した集学的な支援が奏功した.管理栄養士として食事を通じた母子関係形成促進にも寄与することができた.暦齢1歳4カ月(修正月齢1歳2カ月)の現在,経口で50kcal/kg/day を摂取し,自宅での安定的な成長がみられている.多職種で腸管リハビリテーションに取り組むことで,超短腸児であっても理想に近い栄養管理が実践できた.