要旨
【目的】パーキンソニズム患者における肺炎発症後の経口摂取に関わる臨床的特徴について検討した.【方法】対象は肺炎で内科へ入院したパーキンソニズム患者136 例とした.患者を経口群と非経口群に分類し,各種臨床項目を比較検討した.入院初期の重度嚥下障害患者の臨床経過についても調査をした.【結果】多変量解析の結果,退院時の経口摂取に関わる独立した項目は「入院初期の摂食嚥下障害重症度」と「入院前の日常生活自立度」であった.入院初期の重度嚥下障害患者に対して比較的早期から摂食嚥下リハビリテーションを開始していたが,神経内科医の入院中の関わりが少なく,全体でもパーキンソニズムの治療は約半数の患者にしか行われていなかった.【結論】一部のパーキンソニズム患者の摂食嚥下障害にはリハビリテーションに加えて投薬調整が重要とされており,今後は神経内科医と連携をして経口摂取の再獲得を目指す必要があると示唆された.
学会誌JSPEN Vol.2 No.1
パーキンソニズム患者における肺炎発症後の経口摂取に関わる臨床的特徴
著者
田積匡平1)2),松山美和3),小林 靖4),長尾恭史1),西嶋久美子5)
所属
岡崎市民病院リハビリテーション室1),徳島大学大学院口腔科学教育部口腔保健学専攻2),徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔機能管理学分野3),岡崎市民病院脳神経内科4),岡崎市民病院看護局5)
キーワード
パーキンソニズム,肺炎,経口摂取