要旨
【目的】脳卒中患者における急性期至適栄養プロトコールを経腸栄養剤の違いから検討した.【対象および方法】 急性期脳卒中患者のうち,早期経腸栄養プロトコールで栄養管理が行われた患者51 例を対象とした.1.0kcal/mL の標準組成栄養剤を用いた1.0kcal 群28 例と1.5kcal/mL の2 種類の栄養剤(高たんぱく消化態栄養剤およびPHGG 配合栄養剤)を用いた1.5kcal 群23 例について経過およびアウトカムを調査し,後方視的に比較検討した.【結果】1.0kcal 群と比較して1.5kcal 群で,消化管トラブルによるプロトコール停滞率が低く,プロトコール完遂までの日数も短縮された.1.5kcal 群は,体重減少率が低く,血液生化学所見における栄養炎症の指標も改善していた.【結論】脳卒中患者の急性期栄養管理に対する1.5kcal/mL の高たんぱく消化態栄養剤およびPHGG 配合栄養剤を使用した栄養プロトコールは,1.0kcal/mL 栄養剤の場合と比較し有益であることが示唆された.
学会誌JSPEN Vol.2 No.2
脳卒中患者に対する1.5kcal/mL の高たんぱく消化態栄養剤およびPHGG 配合栄養剤を用いた急性期栄養プロトコールの有益性~後方視的調査による1.0kcal/mL 標準組栄養剤との比較に基づく検討~
著者
小野寺英孝1),最上谷拓磨2),森みさ子3),川端千壽3),金子真由美3),松嶋真哉2),川畑亜加里3),清水朋子4)
所属
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 脳神経外科1),同 リハビリテーション部2),同 看護部3),同 栄養部4)
キーワード
脳卒中,急性期栄養管理,栄養プロトコール