要旨
【目的】外来がん患者の食事・体調のセルフケア向けに開発した『体調記録』と『メニュー検索』機能を持つ「がん通院患者の食事支援システム」の有用性を調査する.【対象および方法】当院で抗がん剤治療中の外来患者27 名に,本システムのアプリケーションソフトを搭載したタブレット端末を3 カ月間居宅にて使用させ,1 カ月毎に使用感等を評価させた.この間,院外の管理栄養士が週1 回,記録された体調を参照して個別に食事のアドバイスを配信した.【結果】被験者20 名(男性15 名,平均64.0 歳)が高い記録率を以て(平均93%)試験を完遂し,簡便性等使用感や食事支援・体調記録としての有用性の評価は概ね良好であった.食事のアドバイスは患者や介助者の食事への実務的かつ心理的支援となったと評価された.【結論】本システムは外来がん患者の体調記録に有用で,特にこのシステムを活用して行った食事のアドバイス配信は食支援として有用であった.
学会誌JSPEN Vol.2 No.2
外来化学療法症例におけるタブレット端末を用いた 遠隔在宅食事支援システムの有用性
著者
河合美佐子1),白井由美子2),福森和俊3),奥川喜永4),渡邊暁子1),三枝 晋5),田中光司5),三木誓雄5)
所属
味の素株式会社 食品研究所1),伊賀市立上野総合市民病院 栄養管理課2),伊賀市立上野総合市民病院 薬剤課3),三重大学大学院医学系研究科 消化管・小児外科学講座4),伊賀市立上野総合市民病院 外科5)
キーワード
外来がん患者,食事支援